パラドックス社の公式フォーラムに
ステラリスの開発者日記 第221回が掲載されています。
今回はゲームのバランス調整と品質改善についてのお話です。
※画像等はフォーラムより引用。
ステラリス 開発者日記 第221回 バランスと品質改善
冒頭のあいさつ
皆さんこんにちは。ステラリスのQAチームのメンバーである@Alfray Strykeです。
開発者日記#215で紹介したVer 3.1 “Lem “パッチに向けたカストディアンチームが作業の一環としてゲーム中の様々な機能のバランス調整とク品質改善を行いましたので、その中から影響の大きい変更点をいくつかご紹介します。
今回の日記はすべての変更点を網羅したものではなく、また開発中で最終的な数値ではないものも含まれています。
なお、Necroids Species Packの変更点については開発者日記#216で説明していますが、これらの変更はすべてLemアップデートに含まれる予定です。
Void Dwellers
Void Dwellersにポジティブとネガティブな2つの特性を持つことを実装した結果、満足できない行動になったことを私達は認識していますー特に、存在しない特性の負の要素を遺伝子組み換えで消滅させることができてしまっていました。
この問題を解決するために、特性の動作にいくつかの変更を加えました。
- 現在Void Dwellerの特性は1つだけであり、あなたの種の遺伝子改変によって悪用されることはなくなりました。
- 特性自体の修正も変更され、以前は以下のような効果になっていました。
- 労働者とスペシャリストの仕事(ジョブ)が+15%のリソースを生み、-10%成長速度となる(ポジティブバージョンの場合)
- -60%の成長速度となる(ネガティブバージョンの場合)
- 特性の新しいバージョンは次のようになります。
- 生息地においてポップのリソース出力が+15%
- 非人工的な世界においてポップのリソース出力が-15%
- 成長速度-10%
- 非人工的な世界において幸福度-30%
つまり、居住地で最も生産性と幸福度が高いVoid Dwellerのポップは、リングワールドではボーナスがなくなり、惑星に定住すると生産性と幸福度にペナルティが課せられます(つまり移民やロボットに任せるのがベストです!)。
Shattered Ring
さて、皆さんがプラズマピッチフォークを手にする前に(はい、プラズマピッチフォークはもはやcanonです)、Shattered Ring(粉砕リング)のオリジンのバランスを変更することをチームは以前から議論していました。
このオリジンの初期パワーを下げることについては様々な検討がなされましたが、オリジンがもたらすプレイヤーのファンタジーを念頭に置き、最終的にはShattered Ring(粉砕リング)の進化をRemnants(レムナント)のオリジンと同様とすることに落ち着きました。
粉砕リング自体は次の地区タイプをサポートします。
- シティ、ハイブ&ネクサス – 帝国のタイプに応じた住宅
- 産業 – 貴重な消費財や合金を製造することができます
- トレード – 事務員が収益を上げ、職人が作業場を運営しています
- ジェネレーター(画像なし) – ハイブマインドや機械知性体がインフラを動かす場所です。リングワールドの商業地区と発電地区のように、Shattered Ringの所有者によって発電地区と貿易地区が入れ替わることに注意してください
- 農業 – それを食べる人のために食料を栽培する場所です
- 採掘 – これについて詳しくは後述します…。
瓦礫がすべて撤去されれば、これらの地区のうち25地区にスペースができます。
「これらのうち鉱山地区は私のリングワールドにありますか?私は何を採掘しているのですか?」と思うかもしれません。
親愛なる読者よ、答えはリングそのものだ!
宇宙への飛行を達成する前にリング上での生活しか知らなかった文明としては、リングワールド自体を構成する資源しか利用できませんでした。
幸運なことに壊れたリングワールドは巨大で、欠けて壊れている素材を彼らのホームの太陽に落とす事無く確保することができます。
そのため、粉砕リング上のあなたの鉱山地区は通常の採掘者のジョブがスクラップ採掘者のジョブに置き換えられ、基本的なジョブの生産量は月に鉱物2と合金1となります。
もちろん前述したように、私達は粉砕リングの進行はRemnantsのオリジンである遺物の世界と似たようなものにしたいと考えました。
つまり、粉砕リングからすべての破片を取り除き、適切なテクノロジーを研究した後、リングワールドセグメントとして完全に機能するように修理することができるのです。
この壮大な作業が完了すると、粉砕リング上の地区は、5:1の割合でそれぞれのリングワールドの地区にアップグレードされます(つまり、5つの農業地区が1つの農業セグメントになります)。
リングを修復することで資材を取り除く必要がなくなるため、採掘地区は削除され研究セグメントを建設する機能が追加されます。
エキュメノポリスの品質の変化
私たちが多くのフィードバックを受けた内容は、エキュメノポリス化すると工業地区が割り当てられる事についてです。
Stellarisバージョン3.1以前は、すべての工業地区は合金の生産に専念していると考えられていたため、鋳造アーコロジーに変換されていました。
Ver 3.1において産業地区は惑星の指定に基づいて変換されます。
- 鋳造ワールドの指定を受けると、産業地区は2対1の割合で鋳造アーコロジーに変わります。
- 工業ワールドと指定された場合、工業地区は2対1の割合で工業アーコロジーに変換されます。
- 産業ワールドを含むその他の指定を受けた場合、工業地区は4:1:1の割合で、鋳物所と工場の両方のアーコロジーに変換されます。
また、Arcology Projectのアセンションパークとして、遺物のある世界をエキュメノポリスに復元する決定がローグサービターにも適用されるようになりました。
さらに通常は存在するであろうレジャーアーコロジーは、豪華なそびえ立つアーコロジーにバイオトロフィーを収容するために転用されました。
様々な品質改善
前述したように消費財の惑星指定に、Industrial World(産業世界)の指定を追加したため、Factory World(工場世界)に名称を変更しました。
この新しいインダストリアルワールドの指定は、産業地区を1つの職種に集中させたくない場合に最適です。職人と冶金学者の両方のジョブにわずかな維持コストの割引を提供してくれます。
ハイブ・ワールドとマシン・ワールドは、ガイア・ワールドに合わせて追加ボーナスを得ました。
ハイブ・ワールドにはSpawning Droneが、マシン・ワールドにはレプリケーターがそれぞれ1つずつ追加されました。
マシン・ワールドにはResource Consolidation(資源集約)のスタートオリジンがあります。このオリジンにはブロッカーがあり、レプリケーターのジョブをアンロックするにはこれをクリアする必要があります。
Subversive Cults(破壊的カルト)(Gospel of the MassesとCriminal Syndicateの両方を持つメガコープ)は、Temple of Prosperity(繁栄の神殿)へのアクセスができなくなりました。
その代わり、彼らの支社にSubversive Shrine(破壊的神社)を設立することができるようになり、それは惑星上の精神主義社の倫理的魅力と犯罪の両方を増やすことになります。
以上を踏まえてここからは@Gruntsatworkにバトンを渡し、私たちが市民に加えた変更のいくつかについて紹介したいと思います。
市民に加えた変更
皆さんこんにちは。
私は現在Stellaris開発チームで働いているゲームデザイナーの一人で、カストディアン・チームに所属しています。
私たちはあちこちで新しい市民やオリジンなどの急進的な変更に追われていますが、既存の市民、特にはみ出し者であったり利用されていない、あるいは特に利用されすぎていると感じている市民に対しても、より穏やかでより重要なバランスの変化を求めていました。
次のリストは、私たちがかなりの引き上げを必要としていると感じたすべての市民を示しています。
通常の帝国
- Beacon of Liberty: +15%の統合力を生成 -> 現在はこれに加えてポップから-15%の帝国スプロールを提供
- Imperial Cult: 布告上限+1 -> 布告上限+2
- Idealistic Foundation:幸福度+5% -> 幸福度+10%
- Environmentalist:消費財維持コスト-10% ->消費財維持コスト-20%
- Parliamentary System: 派閥影響力+25% ->派閥影響力+40%
- Efficient Bureaucracy:管理者上限+10% -> 管理者上限+20%
- Nationalistic Zeal: 戦争疲労度-10%と要求コスト-10% -> 戦争疲労度-20%と 要求コスト-15%
- Functional Architecture:建物と地区のコスト-10%と建物と地区の維持コスト-10%と建物スロット+1 -> 建物と地区のコスト-15%と建物スロット+2。建物と地区の維持コストについては削除。
ハイブマインド
- Subspace Ephase: 宇宙軍上限+15% ->船速+20%と宇宙軍上限+15%
- Divided Attention: 管理者上限+10% -> 管理者上限+20%
機械帝国
- Constructobot:建物と地区のコスト-10%と建物と地区の維持コスト-10%と建物スロット+1 -> 建物と地区のコスト-15%と建物スロット+2。建物と地区の維持コストについては削除。
これらの変更は厳密に数値の調整ではありますが、その一方で市民に新鮮な空気を与え、より広いプレイヤーへのアピールを高めることを私達は願っています。
なぜなら「ピカピカに輝く新しい数字」はドラッグの地獄の一つだからです。
残念なことに、過0小評価されていると感じた市民を強化するだけでは、すべての問題を解決することはできません。
そこで「必須」の市民と考えられているという視点から、最も大きな問題を抱えている2~3の市民に、若干のナーフ(弱体化)を加えました。
- Slaver Guilds : 奴隷人口を40%から35%に削減
- Indentured Assets: 奴隷人口を40%から35%に削減(メガコープの市民)
- Technocracy:Technocracyにより統合力を生み出している科学者ジョブに消費財維持コスト1を追加
ご覧のように奴隷商人ギルドの市民にとってこの変化は、テクノクラシーのナーフに比べると比較的小さいです。
ここでの目標は、これら3つの市民の質を少し低下させることです。
私たちは彼らの地位を地面まで突き落とすつもりはありません。
私たちの目標は、彼らを「毎回において最高の選択」から「状況次第では最善の選択かもしれない」に変えることなのです。
私たちは、このサイトや他のすべてのプラットフォームに寄せられた皆様のご意見や、当社のテレメトリを注意深く観察し、市民について調整しながら進めていきます。
また他にも改善が必要な市民がいくつかありそれらについても検討する予定ですが、Lemアップデートでは行いません。
今週は以上です!読んでくれてありがとうございました。
来週またLemアップデートのさらなる変更に飛び込んでいく予定です
以上
フォーラム内のやり取り(Q&A)
※引き続き管理人多忙のため休止中です。再開まで今しばらくお待ち下さい😥
感想・まとめ
以上、Stellaris 開発者日記 第221回の紹介でした。
今回は来たるLemアップデートで予定されているいろいろな品質改善についての内容でした。
色々考え方はあると思いますが、私個人の意見を言わせてもらうとナーフ(弱体化)ってのはあまりいい方法とは思えません。
これはステラリスだけではなくゲーム全般に対して、少なくともナーフは最善手ではないと私自身は思っとります。
もちろんナーフが手っ取り早いのだろうとは思いますし、忙しい開発陣の方々が採用したい手段であろうというのは理解できます。
それでも、「いままで使ってたのがある日から弱体化される」というのはユーザー目線からから見たら結構大きく冷めてしまうと思うんですよねー😥
今回ナーフの理由が
「毎回において最高の選択」から「状況次第では最善の選択かもしれない」に変える
と説明されていましたが、そうであるならば他の市民について検証を重ねに重ねてそれらをより引き上げることで彼らを選択肢として相対的に高める方向をどこまでも追求して欲しいと思いました。
今回のナーフに該当するものを下げる(弱体化する)こと抜きでです。
開発時間や労力の面で大変なのは分かるけど、安易にナーフで解決を図るのはちょっとどうなのというのが私の正直な感想です😥
全然ゲームのジャンルが違いますけど私、Divisison2を予約して買ってまでやってたんですが、運営がナーフばっかりしてくるので嫌気がさして早々にやめてしまいました( -_-)
ステラリスの場合はそこまでナーフを頻繁にやってるわけではないですが、ナーフってのはプレイヤー側から見てあまり気持ちのいいものではないと思います。
とは言え、もう方向性は決まってしまったようなので、こんな極東アジアの片隅のブログでわーわー言っても変更は無いと思われます(そもそも意見があるならパラドフォーラムに直接書くのがスジなわけで)。
今回の調整がうまい落とし所のバランスになってることを願うばかりです(´・ω・`)