ステラリス 開発者日記 第271回 Ready…? Fight!

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更新情報

2022/10/19 フォーラム内のやりとりを更新


パラドックス社の公式フォーラムにステラリスの開発者日記 第271回が掲載されています。

今回は宇宙戦の戦闘システム改良についてのお話です。

お断り:以下の記事はパラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
リリース後数年を経てStellarisに公式日本語が実装されたことに伴い、管理人が翻訳した開発日記登場の用語と実際にゲーム中に登場する用語・表現が一致しない事があるかと思いますがご了承下さい。
※画像等はParadoxフォーラムより引用しています。
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ステラリス 開発者日記 第271回 Ready…? Fight!

今回の担当はステラリス ゲームディレクターのEladrinさんです。

冒頭の挨拶

再びこんにちは!

今週のトピックはStellaris Ver 3.6 「Orion」アップデートで予定されている戦闘の再調整です。
まず目標とする内容と変更対象の範囲についての調査から始め、その後、私達が行ったことについて詳しく説明をします。

範囲と意図

戦闘のバランス調整については開発者日記#257回で初めて説明し、PDXConで初期の作業状況についてさらに情報を提供しました。
それ以降、私たちはより多くの実験を行いいくつかのフィードバックを収集した後、反復的な変更を加えました。

戦闘バランス調整の実験について考え始めたとき、私たちはそれをどういったものにするか、そしておそらく同じくらい重要な事として、それにどういったものが必要ではないかということを決めなければなりませんでした。

ゴール(目標)

私たちは主な目標を次のように決定しました。

  • 限定的な範囲を維持つつも既存のメタ的な要素に揺さぶりをかけ、一般的な宇宙戦闘を向上させる。
  • 単独船種で構成した艦隊ではなく、混成艦隊を持つメリットの提供。
  • すでに手元にある3Dアセットを使用して、カウンタープレイと船の設計デザインを改善する。

これらに変更の範囲を限定することが重要であると考えました。
つまりこれらは艦隊戦闘の仕組みを大幅に書き換えるのではなく、艦隊の構成とバランスの変更にしっかりと焦点を当てることを意図しています。
また現時点では地上戦については触れていません。

問題点

Stellarisの艦隊戦闘で次のような問題点が確認されました。

  • 「アルファ・ストライク」砲撃戦艦がゲーム終盤を支配している。
    ストライク・クラフトの改良で少しばかりジャンケン的な強弱要素を追加しましたが、繰り返し取得可能なテクノロジーが戦闘に影響するため、最終的に重要なのはどちらがより長い射程を持っているかということになる。
  • 離脱の仕組みがさらにオーバーキルを助長する。
    駆逐艦や巡洋艦のような艦船はほとんど即効性がありません。
    駆逐艦のポイントディフェンスというニッチ要素はあまり価値がなく、巡洋艦ができることのほとんどすべては戦艦の方がうまくできています。
  • コマンド制限は本来の役割を果たしていない
  • ドゥームスタックが楽しくない()

最後の2つは今回の変更の範囲外であり、今後のアップデートで検討される予定です。
また現時点では再取得可能なテクノロジーにはあまり触れず、より多くのサイズの船に有用な役割を提供できるようにすることに重点を置いています。


管理人補足
「ドゥームスタック」については過去に開発者日記第96回で触れられていました。
こちらを御覧ください。

では何を行ったのか?

主要な変更点は以下の通りです。

  • 船の役割を選択できるようになり、Artillery、Brawler、Torpedoなど、実際に特定の役割を果たす船を自動設計することができるようになりました。
    選択した役割を満たす武器を所持していない場合は、所持している武器を使って最善を尽くします。
  • 魚雷と選択した他の武器は、対象の大きさに応じた乗数的なダメージボーナスを得るようになりました。
    • ミサイルはGスロットからSとMに戻されました。
    • 陽子ランチャーや中性子ランチャーのようなエネルギー魚雷が、最小射程のGクラスの武器に変更されました。
      魚雷級の兵器としてバランスの取れたダメージに調整されており、新型魚雷と同様、より大きな目標へのダメージを増大させます。
      標準的な魚雷とは異なり、現時点では即時型の命中兵器のままです。
  • 魚雷を発射するコルベットの上位フレームのフリゲートと呼ばれる新しい船がありますが速度が遅く回避性能も低くなっています。
    魚雷のテクノロジーでアンロックされます。
  • レーザー以外のすべての大型武器に最小射程を追加しました。
    • 注:現在のところ射程距離の関係ですべての兵器が発射できない場合でも船はまだ後退しません。
  • ストライククラフトはミサイルを迎撃しなくなりましたが互いに戦いを続けます。
  • 対空砲台はストライククラフトに強く対抗し、ポイントディフェンスはミサイルや魚雷に強く対抗するようになりました。
    ストライククラフトはシールドに依存し、ミサイルと魚雷は装甲に依存しています。シールドを迂回する能力があるため、他のストライククラフトに対して非常に有効です。
  • 船の戦闘用コンピュータは、望ましい射程距離のために特定の兵器を無視し、実際の船の積載量に基づいて目的の距離を設定するようになりました。
    SwarmとTorpedoは突撃しPicketとLineは射程距離の中央値の武器の射程距離に留まろうとし、ArtilleryとCarrierは射程距離の最も長い武器の射程距離に留まろうとします。
    これは一般的に、可能であれば船が射程圏内にとどまることへの欲求を高めています。
  • 艦船は戦闘ごとに限られた数の離脱機会があります。
    船体の損傷が離脱のしきい値を下回ると、現在のすべてのドライブで1回の離脱ロール(ただし、Psiジャンプドライブは2つ提供されます。)が提供され、ヒット・アンド・ラン戦争ドクトリンではすべての船に追加の試みが許可されます。回避するように設定された民間船は攻撃のたびに離脱しようとし続けます。
  • 回避の一部のソースは、別の効果に置き換えられています。
  • それ以外はすべて変わりました。私たちが既に知っていることはすべて間違っています。パニックに陥り絶望を知ることでしょう。

変更点のより包括的なリストは、以下にあります。

管理人注:ここでスポイラーで変更点の掲載がありますが、あまりにも膨大なため紹介は割愛します。
なおあくまでもスポイラーの内容もβテスト向けの内容であるため、これがそのまま実装される訳ではなさそうです。

要するに簡単に説明すると

船の大きさによる役割分担がより重要になるはずです。
サイズに応じたダメージが導入される事により、フリゲート(護衛艦)と巡洋艦は戦艦や他の大型艦にとって非常に危険な存在になる可能性があります。

しかしフリゲートはコルベットのスクリーンに守られないと非常に脆弱であり、駆逐艦はスクリーンでのポイントディフェンスの達人であり、ガンシップやブローラーの役割でコルベットやフリゲートを切り崩すことができます。

砲艦は、その砲の射程より内側に何かが近づくと脆弱ですが、より遠くの敵と交戦するスクリーンがあれば、自由に吹き飛ばすことができるでしょう。

どの役割の艦船にもシステムのどこかにカウンター(対抗)要素があり、不足分をカバーし合う混成艦隊は一般にハードカウンターがより困難な存在となります。

良くまとまった要約を聞きたい場合は、@MordredVikingがこちらですべてを説明しています。

画像は1000の言葉に比するでしょう

魚雷フリゲート艦

陽子ランチャーとミサイル巡洋艦

船尾の Aux Utility スロットの数が異なります。

タイタン級ですら当たると大変なことになります。

Shield、Armor HardeningはShield、Armor Penetrationに対抗する。

私は試して建設的なフィードバックを試したい!

よかった、皆さんはきっとそうしてくれると思っていました。

この開発日記の投稿時点で、Stellaris 3.6 OrionのオープンベータがSteamで公開され、今月末まで稼働する予定となっています。

3.6 Orion オープンベータはオプションのベータパッチであることに注意してください。アクセスするには手動でオプトインする必要があります。
Steamライブラリにアクセスし、Stellarisを右クリック→ プロパティ→ 「ベータ」タブ→ stellaris_test ブランチを選択します。

Modをオフにすることを忘れないでください。ゲームが壊れます。

このビルドはまだ「ホット」であり開発中であるため、多くのプレースホルダアイコンやTODOテキストが散見されることが予想されます。
数値は必ずしも最終的なものではなく、オープンベータから収集されたデータを見てさらなる変更を加える可能性があります。

既知の問題点:

  • 多くのプレースホルダアイコンといくつかのプレースホルダテキスト
  • すべての新しいテキストは、オープンベータ期間中は英語のみとなる
  • 武器の最小射程内に閉じ込められた場合、船は現在のところ後退しない

さらに多くの変更を加える予定ですので、今後数週間で少なくとも1回はベータ版を更新する予定です。

以下のトピックについては、ターゲットとなるフィードバックスレッドが存在します。

またオープンベータに関する一般的な議論のためのスレッドがあります。

お読みいただきありがとうございます。
ステラリス Ver3.6 オリオンのオープンベータテストをお楽しみください!


以上

フォーラム内のやり取り(Q&A)

フォーラム内のやり取りで気になったものを紹介(全てを紹介するものではありません)。

Q:フリゲート艦の魚雷もステーションに対してより多くのダメージを与えますか?
私はその様に思うが、船対船の戦闘についての言及しか見られませんでした。

A:はい、ステーションにも「船のサイズ」があり、大きくなるにつれて変化します。
スターホールド以上は完全ダメージを受けるはずです。


Q:AIはどのような艦隊編成を行うことが期待できるか?

A:AIは通常、混合艦隊を使用します。
(帝国の)性格のタイプ、市民、倫理、およびその他のいくつかの要因により、特定のタイプの武器などを好むよう偏る可能性があります。その辺りはあまり変わっていません。
例えばゲーム序盤でフリゲート艦を多用していると感じることがあれば、この事を知っておくとよいでしょう。


Q:各シップデザイナーにどの役割が割り当てられているかを確認するにはどうすればよいのでしょうか?
また、自動割り当てされた武器を変更すると役割は変わるのですか?

A:役割(Role)のボタンは「この役割で自動設計」するだけのもので、船のセクションや装備についてはできる限り設定してくれますが、その後は好きなように変更できます。


Q:船のデザインを変更する場合、ゲームでどの戦闘行動がどの艦船に割り当てられているかを知るにはどうすればよいのでしょうか?

A:戦闘行動は戦闘コンピュータと繋がっています。
役割ボタンは最も適切なものを選択するだけです。


Q:ステーション/シタデルの積載量を編集するオプションも利用できますか?

A:現在のところありません。


Q:Neutron Launcher(中性子ランチャー)は即座にダメージを与えるのか?
相手を攻撃する前に移動する必要があるのか?

A:ニュートロンランチャーは現在も直撃武器として扱われています。


Q:基本的にコルベットのミサイル区画は、それぞれの船サイズに分割されているという理解で良いのか?またなぜこのような形式になったのか。

A:当初は、ミサイル艦の部分に改造要素を追加することで「魚雷コルベット」を試作しました。それはうまくいったのですが全体的に非常に分かりにくいものでした。
艦船サイズを分割することで、その混乱の一部が解消される(実際に搭載可能な武器を持つ前に艦船セクションを使用できるなど)、適切なステータス設定が容易になる、AIに通常のコルベットとフリゲート艦の両方のデザインを持たせることを確実にし「フリゲート艦は編隊飛行時にコルベットとデストロイヤーの後ろに配置する」といったことが可能になりました。
ミサイル部も独特の外観になり、いい感じです。


Q:鉄人モードを完走するため、アセンションパークのスロットを増やすことを検討していますか?

A:アセンションパークのスロットを追加する可能性は低いです。


Q:フリゲート艦は既存の船を少しだけスケールアップしたものなのですか?

A:フリゲート艦はコルベットよりも25%大きく、Interceptor/Picketとは外観の異なるミサイルスロットを搭載しています。


その他、今後の検討事項等についてEladrinさんからのお知らせ内容

現時点では、選択可能な伝統の数を変更するつもりはありません。
難しい選択を迫られるという現状の仕組みは全体的にかなり良い状態であり、最後の2、3個の伝統を選択する際に「まあ、これでいいか」となってしまうよりはずっと良い状況だと考えています。

ゲーム序盤は良いがその分後半に犠牲が出るものもあれば、ゲームが進むにつれて輝くものもあります。
現状にはかなり満足していますが、今後も注意深く見守っていきたいと思います。


(今後の更新予定について)

正式な日程は未定ですがCustodianチームは四半期に一度、アップデートをリリースしています。
(10月末に今回のベータ版が終了し12月後半は休日となるため、すべてが順調に進めば、おおよそのリリース目標日(非公式です)が分かるでしょう。
(今のところ、いくつか仕上げ作業に関して内容の磨き上げが必要であり、またいくつかの数値は絶対に調整が必要となりますが、ほとんどの要素はおおむね順調のようです)。


その他にもQ&Aはありましたが、ベータテストを経て調整が行われ、実装されてみないとどうなるかわからない内容に関しては省略しました。

今回は以上としますm(_ _)m

感想・まとめ

以上、Stellaris 開発者日記 第271回の紹介でした。

Shield、Armor HardeningはShield、Armor Penetrationに対抗する

ってのを見てニュートロンジャマーキャンセラーの事を思い出しました(^_^;)

艦隊戦がVer3.6からは大きく変更になり既存のやり方の多くが通用しなくなるような感じですね。
今後はたくさんの船種を用意しつつ、いったいどういった構成が一番バランスが取れているのかなどを探っていく事になりそうですね。

それでは( ✧Д✧) カッ!!