ステラリス 開発者日記 第295回 軍隊、セクター、メッセージなど

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更新情報

2023/4/26 フォーラム内のやりとりを追記


パラドックス社の公式フォーラムにステラリスの開発者日記 第295回が掲載されています。

今回は次回のゲームバージョンである、Ver3.8 “Gemini”アップデートで実装予定のCoop以外の要素についてです。

お断り:以下の記事はパラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
リリース後数年を経てStellarisに公式日本語が実装されたことに伴い、管理人が翻訳した開発日記登場の用語と実際にゲーム中に登場する用語・表現が一致しない事があるかと思いますがご了承下さい。
※画像等はParadoxフォーラムより引用しています。
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ステラリス 開発者日記 第295回 軍隊、セクター、メッセージなど

今回の担当はStellarisゲームディレクターのEladrinさんです。

冒頭のあいさつ

皆さんこんにちは!

先週お話したVer3.8 “Gemini” Coop Open Betaがオープンしました!
詳細についてはこちらのメッセージを参照してください。
4月末までフィードバックと非同期エラーについて情報収集します。

Ver3.8 “Gemini” Coop Open Betaはオプションのベータパッチであることに注意してください。アクセスするには手動でオプトインする必要があります。
Steamライブラリにアクセスし、 Stellarisを右クリック→ Properties→betas タブ→stellaris_test -3.8 Coop Open Betaブランチを選択します。

MODをオフにするのを忘れないでください、ゲームが壊れます

今週はCoop Open Betaの要素ではありませんが、Ver3.8の完全リリースに向けて計画されている改善点のいくつかを探ります。
以下、Offeとkcが内容を紹介します!

<人間の挨拶を挿入>

こんにちはOffeです。
今日は前回のAIに関する開発者日記の後、私が取り組んでいることについていくつかの情報をお伝えします。
今日はVer3.8無料パッチで登場する7つの小さなサイドプロジェクトについて紹介します。
それはすなわち、アーミー・ビルダー、ラリー・トループス、地上戦と起動爆撃の調整、科学船の自動化、首都世界の指定、艦隊マネージャーの改善、そしてセクター・エディターです。

まず地上戦と軌道爆撃に関連する3つの変更があります。
コミュニティが地上戦を手直しするか完全に削除するかで意見が分かれているのを見て、私はそれらの代わりに皆さんをがっかりさせ、誰も求めなかったものを与えることを選びました。つまり、クオリティ・オブ・ライフ(品質改善)とわずかなバランス調整です。

軍隊ビルダー

まずArmy Builderとは、来るべき戦争に備え突撃軍の構築と集結をより簡単にするためのツールとなります。
このタブはセクター内のどのスターベースでも使用でき、このタブを介して集められた軍隊はスターベースに集結します。

注:このスクリーンショットを撮った後、タブを1つ左に移動させました

ビルダーについてはセクター内のすべての惑星に分散しており、CTRL+クリックでより迅速に構築をキューに入れるオプションも用意されています。

既存の地上軍の艦隊を単にスターベースに集めるのではなく増強したい場合用に、 Rally Troops(ラリー部隊)という地上軍の艦隊用モードも追加しました。
この新しい部隊は、アーミービルダー経由で構築されたか、古くからある惑星由来の募集方法で構築されたかにかかわらず、自動的にこの艦隊との合併を試みます。

惑星と言えば、前線の惑星を防衛するために突撃部隊を募集する際に、軌道上に部隊を展開させず、後から手動で部隊を着陸させる必要がある場合に備えて、惑星に「軌道上に展開」チェックボックスも追加しました。

起動爆撃の変更

次は起動爆撃の変更です。
これは地上戦が本当に嫌いな人には朗報でしょう。
軌道爆撃はほとんどの場合、防御しているすべての部隊を完全に壊滅させた時点で、惑星を制圧できるようになります。
ただし例外もあります。たとえば自分のポップが狂信的な浄化主義者である敵に降伏することはありません。

また自分に対して降伏したい敵惑星を拒否するというポリシーもありますが、無防備な惑星は自分の命を守るために、大量殺戮/ハイブマインドでない敵に降伏することを望みます。

さらに地上戦と軌道爆撃には、爆撃と侵攻のトレードオフを作るための工夫がいくつかあります。

  • 惑星への爆撃は以前よりもはるかに破壊的になり、その過程でより多くのポップが死に、建物や地区が破壊されるでしょう。
    これはまた異なる爆撃スタンス間のトレードオフを追加し、無差別爆撃と比較して選択的爆撃を行うことは遅くなりますが、その過程で死ぬポップは少なくなります。
  • 軌道爆撃は今後、爆撃する船の量に応じて規模が拡大され、最初の100艦隊サイズの船は完全な損害を与え、その後、100艦隊サイズが増えるたびにその効率は70%増加します。
    例えば300艦隊の能力に相当する艦船は100%+70%+(0, 7^2=49%)=219%の砲撃被害をもたらします。
    この効果はポップ/建物の数と惑星のサイズに基づいてスケールされ、人口の多い小さな惑星は、人口の少ない大きな惑星と比較して大きな損失を受けることになります。
  • 地上での戦闘は旧来よりも惑星に対して破壊的ではありますが、爆撃に比べればはるかに少ないです。
  • 軍隊の種類による巻き添え被害の効果も調整されました。
    以前は軍隊の種類による巻き添え被害は乗数ではなく線形値であったため、実際にはゼノモーフのような高ダメージで高巻き添えを起こすユニットは、敵軍を非常に早く殺してしまうため、通常の軍隊に比べて惑星での巻き添え被害は実質的に少なかったと言えます。
    巻き添えダメージ修正は、与えるダメージの倍率として機能するようになったため、このようなことはもはやありません。
  • 惑星首都の建物は、現在、建物の階層に基づいて無料で0/4/8/16の防衛軍を生み出します。

地上戦と起動爆撃のすべての変更の設計思想を要約すると次のようになります:

大きな惑星には自動的にいくつかの防衛手段が用意されるため、地上戦闘と軌道爆撃がゲームの大きな部分を占めるようになります。
Army BuilderとRally Troopsの機能を使用すると、軍隊を構築して惑星に侵攻するのがはるかに簡単になります。
1~25ポップがいる小さな惑星は、軌道爆撃だけで占領できる有力な候補となり、小さな取るに足らない惑星や生息地に手動で侵入する必要がなくなります。

科学船の自動化の更新

以前、建設船の自動化と惑星の自動化設定を作成したところ、コミュニティから好評を得たため、Ver3.8では科学船の自動化も改善することにしました。

Science Ship automation(科学船の自動化)をクリックすると、好きなモジュールを有効または無効にすることができます。
Explore Systemsは単に銀河を探索し、その過程で惑星やハイパーレーンを発見します。他の設定については自明でしょう。
既定の設定は、Ver3.8以前と同じ機能である探索システムと調査システムです。

すでに自動化されている科学船の場合、自動化ボタンにカーソルを合わせると、有効になっているモジュールを確認できます。

新しい惑星首都の指定

私はプログラマーとしての自分の役割から少し外れ、コンテンツデザインに少し手を出しました。
Ver3.8には非ハイブマインド向けに4つの新しい首都惑星の指定が予定されています。
それはForge Capital、Factory Capital、Trade Capital、Capital Extraction Worldです。

これらの指定は自動コロニー指定システムの一部ではなく、あなたの首都の世界が勝手に指定を変更することは決してありません。
むしろゲームの一時停止解除時にプレイヤー経済が瞬間的に崩壊するのを避けるため、あなた自身が明示的に指定を変更する必要があります。

これらはデザインにおいて革命的なものではなく、むしろ特殊化と対になった首都指定の複合効果です。
したがってたとえば鍛造首都の指定では、通常の首都指定と同様にすべてのボーナスが与えられますが、すべてのジョブに対して+10%の出力ではなく、+20%の冶金ジョブの出力と、他の鍛造指定と同様に消費財のジョブを合金のジョブへとシフトします。

ですので私のように鍛冶屋、工場、貿易、基本資源の首都ワールドを作りたいと思っていた人たちは、今、それができるようになりました。

艦隊マネージャー

全体として艦隊マネージャーはその目的を果たし、一応は機能しています。
KC彼女については後述)と一緒にUIの再編成を行い、いくつかの厄介なバグを修正しました。
これが今の艦隊マネージャーの姿です:

いくつかの注目すべき変更点は艦隊のリストが以前よりもはるかに大きくなったこと、6つではなく12同時に艦隊を表示できるようになったこと、艦隊テンプレートをコピーする新しいボタンが追加されたこと、DELETE+ENTERキーを使用して艦隊テンプレートを簡単に削除できるようになったこと、削除するとリスト内の最初の艦隊が選択されなくなり、スクロールバーが一番上までスクロールされなくなったことでなどです。

シップデザイナーと艦隊マネージャーはサイドバーの1つの項目に統合されており、タブで簡単に切り替えられるようになっています。

また元々はAIのためにデザインされ実装されたボタンですが、プレイヤーにとっても便利だと思い、この新しいボタンを追加しました:

セクターエディター

Overlord(DLC)により、セクターを編集する機能がとても恋しくなりました。
そこでセクター・首都の範囲内であれば、隣接するセクター間で自由にシステムを移動できるツールを作りました。
セクターエディターツールは、惑星ビューまたは惑星とセクタービューからアクセスすることができます:

セクターエディタを開くとセクター編集マップモードになり、ここでは銀河マップのアイコンまたは左側のUIを使用してセクターを編集できます。
セクターエディタモードでは、銀河マップのこれらのアイコンをクリックすることで、異なるセクターの編集を簡単に切り替えることができます。

これにはセクターを作成する要件のいくつかの調整が伴います。
例えば既存のセクター首都に近すぎるセクターを作ることは、その間にある星系が未開拓であっても不可能になりました。
つまり居住が保証されている世界(惑星)の1つを臣下として解放することはできなくなりました。

さらにどの惑星がどのセクター首都に属するかという古い直感に反するルールはすべて削除されており、プレイヤーがセクター境界を修正しようとしてセクターを削除して再作成しようとすると、以前は非常に奇妙な外観のセクターになっていました。

現在、セクターエディタはプレイヤーに多くのコントロールを与えており、1つのシステム/惑星の家臣を作成することが以前よりもさらに簡単になりましたが、セクター境界マップの酷さを修正することもできるようになりました。
ここにいる全員が責任を持ってこの力を使うと信じています。

更にまだあります!

みなさんこんにちは!
私はkcです。皆さんが知らないであろうUXデザイナーです。
普段は北極の影で仕事をしていますが、この数週間、私たちが取り組んでいるクオリティ・オブ・ライフ(品質改善)に光を当てるために、皆さんの前に姿を現しました。

サイドメニューの再割当て可能なキー、いや、再割当て可能ではないのですが、それに近い機能があります。
メニューの項目の順番をカスタマイズできるようにし、どの項目にF1-F10のホットキーを割り当てるかを決めることができるようにしました。テクノロジー?まさにその通りです!

小さな歯車のアイコンをクリックして、編集モードを切り替えることができます。

メッセージの襲来

私が数年前にStellarisを始めて以来、不満に思っていたのは、このゲームが情報を提示するときに、緊急性に異なるスケールが設定されていないことでした。
すべてが同じように重要視されるため、ノイズをカットするためにはすべての新しいメッセージが他のメッセージと同じか、より大きな声で叫ばなければなりません。
そのため誰もが知っていて大好きで、憎むことが大好きなポップアップや通知が殺到しているのです。

そこでこれを修正するために私たちが決定したのは、むしろさらに多くの通知を行うことです。

  • さらに異なる通知を追加するための新しいシステムを作る
  • 通知を無効にできる。はい、メッセージ設定がStellarisに追加されます。

この新しい通知は、トースターのパンのように自動的に現れては消えることから、トースト通知と呼ばれています(パンにまつわるジョークです!)。

このシステムは優先度の低いもの、行動する必要はないが知りたいかもしれないものを伝えるために使用されます。
そして自分がしたことに対するフィードバックがあります。チン!リーダー準備完了です!

私の希望は古いメッセージも、このシステムを使用するよう変換できるようにする(システム調査済み、建築完了など)ことと、異なるメッセージの表示方法をカスタマイズできるようにすることです。
お好みでどうぞ!あるいは、完全にオフにすることもできます。

メッセージの設定は、表示させたくない通知やトーストから直接(Ctrlキーを押しながら)、またはゲームメニューの「設定/メッセージ」から行うことができます。
上記のトーストのような一部のメッセージには、設定を調整するための歯車アイコンもあります。

待ってください、まだあります!

実際にはもっと機能がありますが、また後日ということにしましょう。ご期待ください。

来週の予告

Geminiのリリースまでにやるべきことがたくさん残っています。
来週火曜日の次の開発者日記でお会いしましょう。


以上

フォーラム内のやり取り(Q&A)

フォーラム内のやり取りで気になったものを紹介(全てを紹介するものではありません)。

Q:艦隊のような軍隊を設計できるアーミープランナーを入手できる可能性はありますか?
つまり種Aのクローン兵を10体、種Bのロボット軍を20体選択できるようなものです。
これがあれば何十もの異なる種を持つ帝国にとって非常に役立つと思います。

A:今回実装される物はプランナーやマネージャーではなく、アーミービルダーであり、セクター内のすべての惑星から自動的に集まる軍隊をすばやく大量に募集することを可能にするものです。
これは完璧ではないものの、何らかの役に立つものになるでしょう。


Q:ゲシュタルト意識の惑星も他の帝国に降伏しないことを願っています。
あるいは、倫理由来の判断という事もできるでしょう。
例えば多くの軍国主義者がいる惑星は、平和主義者がいる惑星よりも降伏する可能性が低くなるなどです。

A:これはよいアイデアですね。ゲシュタルト意識/浄化主義との間で降伏しないという考えですが、これはスクリプト化可能であるため、これを変更してライバルに降伏できない、または狂信的な軍国主義者である場合は決して降伏しないと言った新しいものを追加できます。


Q:惑星の守備力をシステムレイヤーで見えるようにしてもらえませんか?

A:私は長い間、銀河マップ上のシステム表現を作り直したいと思っていました。
表示したい情報がすでにあるのですが、それでは収まりません。いっぱいなのです。
これとアウトライナーは、多かれ少なかれ常に作り直したいと思っていた2つのUIです。

管理人補足

要は銀河マップに表示させたい要素(情報)がたくさんあるけどそこまで手が回らないという感じでしょうか。


今回は以上とします。

感想・まとめ

以上、Stellaris 開発者日記 第295回の紹介でした。

本日はあまり体調が良くないので感想や誤字脱字の修正等はまた後日行いたいと思います。

それでは( ✧Д✧) カッ!!