ステラリス 開発者日記 第319回 AstralのScars(傷跡)とRifts(裂け目)

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更新情報

2023/10/29 フォーラム内のやり取りを更新しました。


パラドックス社の公式フォーラムにステラリスの開発者日記 第319回が掲載されています。

今回は新DLC、Astral Planesに登場するAstral Scars(傷跡)とAstral Rifts(裂け目)ついてのお話です。

お断り:以下の記事はパラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
リリース後数年を経てStellarisに公式日本語が実装されたことに伴い、管理人が翻訳した開発日記登場の用語と実際にゲーム中に登場する用語・表現が一致しない事があるかと思いますがご了承下さい。
※画像等はParadoxフォーラムより引用しています。
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ステラリス 開発者日記 第319回 Astralの傷跡と裂け目

今回の担当はAstral Planes DLCを開発委託されている、Abrakam Entertainment社のAstral Planes DLCのリードゲームデザイナー、Atmazさんです。
Paradox社以外の人による開発者日記は初めてではないでしょうか。

はじめに

こんにちは!

私はGary Morris(またはAtmaz)です。Abrakam EntertainmentのAstral Planes DLCのリードゲームデザイナーです。

私はずっとビデオゲームをしています。
最初期の記憶としては、就寝時間を過ぎても起きていたことや、兄がクリスマスに買ったスーパーファミコンで戦略ゲームを何時間もプレイしていたことなどがあります。
作業員と一緒に核廃棄物をタイル1枚ずつ片付け、それを楽しんでいたあるゲームの具体的な記憶があります。
当時は知らなかったのですが、私は後に「4X」と呼ばれるようになるタイプのゲームに夢中になっていたようです。

私がついにコンピュータを手に入れたのはTandy 1000 HXでした。
HXが何を表しているのか、物にXを付けることの魅力が何なのか、私にはまだ分かりません。
そのマシンでは、すぐにもっと古い似たような4Xゲームを手に入れましたが、それには同じくらい魅せられました。
キーボードという非常に強力な新しい遊び道具を与えられたので、派手なグラフィックの欠如というのは私にとっては問題ではありませんでした。
幸いなことに無知だった私はキーボードとテンキーが完全に使えるようになるまでSNES(管理人補足:海外版スーパーファミコンのこと)のコントローラーでどれだけ苦労するかということには気が付きませんでした(マウスがあったことすら覚えていません)。

それから25年から30年ほど時が流れ現在に至っています。
誰もがマウスとキーボードを持っていて、4Xというジャンルが爆発的に広がり、このタイプの素晴らしいタイトルがいくつもあります。
そしてその最も優れたものの1つは、偏見なく言ってしまえばStellarisでしょう。

Astral Planesが生まれた経緯

昨年、Paradoxから新しいStellarisの拡張機能の開発を依頼されたとき、最初に思ったのは「Stellarisはいったい何が楽しいのか?」 ということでした。
これは私が真剣に考えなければならなかった最も難しい質問の1つかもしれません。
ゲームをプレイして楽しむのは簡単ですが、なぜ楽しんだのでしょうか?いったいどうやって…Stellarisの楽しさを測ればいいのでしょうか?

これにはもっと複雑な答えもあるでしょうが、一番簡単なのはどこか別の場所に行くということです。
何年も前に自分の街を救うために労働者と一緒に核廃棄物を片付けていた時と同じように、新しいシステムを調査して自分を死に至らしめるかもしれない何か新しいものを見つけた時にも同じような感覚を覚えます。私は他の場所にいるのが好きなのです。

では一番遠くまで行けるのはどこでしょうか?
我々はすでにステラリスの宇宙空間にいますが、本当にもっと多くが必要なのでしょうか?
宇宙探査という概念は、すでに興奮と驚異に満ちています。
ステラリスはこの感覚を完璧に捉えており、次は何があるのだろうかと考えさせられます。

これが何かについてのヒントは、例えばシュラウドの謎とそこに何が含まれているのか、Unbiddenの説明のつかない外観とそれがどこから来たのかなど、すでにゲーム内に存在しています。
私たちの次元に隣接する別の次元が存在することは明らかで、私たちはその風味を味わうだけです。
これが Astral Planesが生まれた思考の元なのです。

Astral Riftsとは何か?

それぞれの銀河には、時空の境界が他の銀河よりも弱い点があります。
そこが発見されると、Astral Scars(アストラルの傷跡)として出現します。
これらの傷は探索できるほど大きくはありませんが、かなりの量のアストラル物質が漏れ出だしているので、あなたにとって役立つかもしれません。

時間の経過とともに、これらの瘢痕が不安定になることがあります。
Astral Scarsが本格的なAstral Rift(アストラルの裂け目)へと開花したことで探索できるようになりました。
これらのアストラルの裂け目は、既知の宇宙を超えて存在する「別の場所」へと私たちを導いてくれます。

しかし、これらのいずれかに身を投じることはできません。
これらの現象に関わるカオス的なエネルギーは、文字通り科学者を宇宙の基本構成要素にまで引き裂いてしまうでしょう。
より慎重に中に入れる方法を見つける必要があります。
そこで登場したのがRift Sphere(リフト球)のテクノロジーです。

どんな物体でも「完璧な滑らかさ」を実現するのは、不可能ではないにしても信じられないほど難しいことです。
どうやらこの地球上では今世紀初頭に「量子安定化原子ミラー」として知られるものによって非常に小規模に達成されたようですが、現実において殆どの場合、これを達成することはできません。
例えばジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の反射面は、平均でわずか20ナノメートルの粗さに磨かれています。
これは非常にスムーズなことですが、Riftに安全に入り、科学者チームに同行できる大きさの容器を用意するには、さらにスムーズに進む必要があります。
これには科学的な努力が必要ですが、完成すれば他の存在の次元を探索する準備が整います。

概念的にはRift Sphereデバイスは科学船に積み込まれ、Riftの中心に弾丸のように打ち込まれます。
基本的な推進能力は備えていますが、それ以外の面ではほとんど無力です。
このためケーブルを起点から接続して検索できるようにしています。
このライフラインは宇宙間からレポートなどの情報を送る手段としても機能します。

ゲーム中盤から後半の探索

私たちがAstral Planes DLCで目指したのは、ゲームの中盤と終盤に探索の機会を増やすことでした。
ある時点ですべてのシステム(星系)が調査され、すべての考古学的遺跡が枯渇した後では、もはや自然と見るべきものがあまり残っていない傾向があります。

この点でAstral Riftsが役立つのは、一般的にはマップスタート時にはAstral Riftsが存在しないことです。
(Scars/Rifts)はゲーム中に手続き的にオープンします。
つまり完全に探索され尽くした星系であっても、何か新しいものが境界内に出現し、調べることができるのです。

自分だけの冒険を選択する

リフトを探索することと遺跡を探索することの大きな違いは、科学者たちが「生きた」 状況の真っ只中にいるということでしょう。
過去を掘り起こして何だったかを知るのではなく、現在の何かを発見するのです。
これは一般的に、それらがはるかに危険にさらされていることを意味し、与えられた情報に基づいてどのように進むかを決定する必要があります。
さらにリフト内では時間の動きが大きく異なり、一方では数分しかない時間がもう一方では何年も経過しています。

Astral Rift内のほとんどのステップは選択肢を提供し、多くの場合、難易度が異なります。
科学者を守るためにもっと簡単な道を選ぶかもしれませんし、危険をものともせず、彼らの試みが成功する展開を願うかもしれません。
これらの探求には、「リスク対報酬」という重い概念が存在します。
各Riftを探索することで得られる結果は複数あり、30以上を追加しました。
これらのリフトの多くの内部には、あなたが正しい選択をし、科学者たちがその選択を生き延びることを条件に、あなたが見つけることができる真新しい遺物があります。

ただし発見できるのは遺物だけではありません。
ほぼすべてのRiftには、新しい派閥修正から惑星の決定、さらには募集可能なリーダーまで、何らかのユニークな報酬が含まれています。
自分の住む場所から遠く離れた、発見すべきエキゾチックなものがいくらでもある場所に入ることになるのです。

しかしこれらの裂け目の中から持ち帰るものはさらに多く、私たちはそれらをAstral Threads(アストラル・トレジャー)と呼んでいます。

これらを用いて何ができるかについては、次の開発者日記で説明しましょう。

おわりに

私たちのチームを代表して、これを読んでくれてありがとうございます。
そして本当にクールだと思うものを作る素晴らしい機会を与えてくれたParadoxに感謝します。

それではまた!


以上

フォーラム内のやり取り(Q&A)

フォーラム内のやり取りで気になったものを紹介(全てを紹介するものではありません)。

Q:Astral要素は既存の考古学的内容とどのように大きく異なりますか?

A:基本的に得られる「決定」が重要となっており、それにより異なる結果につながる可能性があります。

考古学的内容には実際に分岐する物語はありませんでした。
いくつかの場所にフラグを立てる事はしていましたが、発掘段階が進むにつれて常に崩壊する必要がありました。
Astral Riftは、コンテンツ デザインの観点から見るとはるかに強力です。
線で進むのではなくフローチャート式になっています。

これは小さな変化のように見えるかもしれませんが、小説を受動的に読む体験から、もっと主体性を持って読む体験に変わります。


今回は以上です。

考古学的要素が小説であればアストラル要素はゲームブックって感じなんでしょうかね🙂
…と書いたものの「ゲームブック」って今の若い人たちはわからないかもしれませんね😅

取り上げたのは1つのQAだけでしたが、他の内容は今回の日記に対する文句系だったのでカットしました。
折角外部の方が書いてくれた日記なのに、もう少し暖かい目で受け入れるという事はできないのだろうかと思いました(そもそも文句を言う様な内容でも無いと思うのですが)。

まぁParadoxフォーラムの民度もたいがいですからね😥

感想・まとめ

以上、Stellaris 開発者日記 第319回の紹介でした。

Abrakam Entertainment社のAstral Planes DLC 開発者(代表)によるDLCの説明でした。
これを読むとAstral Planes DLCでは銀河マップが拡大されて別の宇宙に移動するとかそういうことではなく、あくまで傷跡→裂け目に成長した次元断層から別事件へ探査隊を送り出し、そこで成否イベント判定が行われて結果としてお宝を持ち帰る…的な遊び方のようですね。

別銀河への移動となるとゲーム機能をガラッと作り変えないと無理でしょうし、現実に即した内容かと思います。
夢とロマンとリアリズム(現実的な機能制限)がうまくバランスが取れているのではないでしょうか🙂

次元の切れ目のこちらと向こうで時間の経過が違うというのはSFあるあるですよね。
同次元内での出来事ではありますが、映画:インターステラーで惑星軌道上で待った科学者と地表に降りた科学者の間で時間の進み方が異なっていたため、戻ってきたら待っていた方は数年経っていた…とかそういう要素もあるかもしれませんね🙂

次回もAstral Planesの開発者日記のようです。

それでは( ✧Д✧) カッ!!