ステラリス 開発者日記 第244回 変化の時

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更新情報

2022/3/6 更新

フォーラム内のやりとりは今回は特に重要そうな内容もなかったので、該当無しとしますm(_ _)m


パラドックス社の公式フォーラムにステラリスの開発者日記 第244回が掲載されています。

今回はこれまで開発指揮を取っていたgrekulfさんが退任するという内容です。

以下パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
※画像等はフォーラムより引用。
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ステラリス 開発者日記 第244回 変化の時

今回の担当はステラリスゲームディレクターのgrekulfさんです。

冒頭のあいさつ

皆さんこんにちは!

今日はStellarisのゲームディレクターとしての私(grekulf氏)の任期が終わり、Stephen Muray(別名Eladrin)が引き継ぐという大きなニュースをお伝えしに来ました。
私は今なおParadox Development Studiosに在籍していますが、私が指揮している未発表のプロジェクトに集中できるように退任します。

Stellarisは絶好調であり、StephenとチームはVer3.3 Libraアップデートの功績に値します。
私が関与したのはUnityのリワークに向けた最初のパスを設定することに過ぎませんでした。

私は私たちが達成したことに非常に誇りと喜びを感じており、今後Stephenとチームが一緒に達成できるであろうことをとても楽しみにしています。
ゲームの状態はこれまでより更に良くなるでしょうし、Custodian Initiative(カストディアンチーム:既存コンテンツの強化担当チーム)が強力になっている今こそ、退任し誰かに主導権を渡すのに最適な時だと感じています。

また、ここ数年一緒に仕事をしてきた皆さんに感謝したいと思います。
私たちの大好きなこのゲームが、日に日に素晴らしくなっていくのを見るのは本当に楽しいものでした。

Stellarisでの私の歴史

2013年から様々な立場でStellarisに携わってきたので、振り返ってみるといざStellarisから身を引くことは不思議な感じがします。
Stellarisとの付き合いはUIデザイナーとして始まりました。
実はPDS(パラドックススタジオ)の最初のUIデザイナーは私だったのですが、当時は私たちが手がけるすべてのゲームに携わっていたものです。
ゲームデザイナーに役割を変え、100%Stellarisに集中したのは2016年にStellarisがリリースされてからです。
2018年12月にMartin(前任者の”Wiz”氏。現Victoria 3開発担当)からゲームディレクターを引き継ぐまで、ゲームデザイナーとして働いていました。

振り返ってみるとこのゲームは2016年以来、本当に素晴らしい旅をしてきました。Stellarisがリリースされたとき、私たちはこのゲームが何であるべきかをまだ正確には把握していませんでした。
私たちはこれが探索に重点を置いた宇宙4Xゲームであることを知っていますが、それはその種の最初のゲームであったので、私たちはそれを成長させ独自のアイデンティティを獲得する必要がありました。

Stellarisはこのように興味深いゲームで何年にもわたって多くの変化を経験してきました。
私はこのゲームをより良いものにするために行った大胆な決断と野心的な変更を本当に誇りに思っています。

私の在職期間の年表

Ancient Relicsは私がデザインして率いた最初のDLCで、その焦点は探索コンテンツの一部を拡張することでした。
それらのアノマリーとは対照的に、考古学的な遺跡はほとんどが除去されず完成後も地図上に残ります。
その理由の1つは銀河に物語を根付かせることで、銀河がより生き生きとした雰囲気になるようにするためでした。

Ancient RelicsにはRelics(遺物)のシステムも搭載されていました。
全体的に見て私は遺物を保有している時の外観がとても気に入っていますし、他のUIでもRelicのUIと同じように良く感じられるようにしたいと思っています。

Lithoidsは私の担当期間にリリースした最初の種族パックでした。
種族に対するゲームディレクターの関与は比較的小さいです。
最初はより上層的なデザインやテーマを書きますが、ほとんどの仕事はアーティストやコンテンツデザイナーによって行われます。
石の塊がステラリスに入ってくるのを見るのは本当に良かったです。なぜなら鉱物を食べるポップスは多くの人々が長い間求めていたものだからです。
Lithoidsは私たちが種族パックにゲームプレイの内容を追加した最初にあたるもので、それは本当にテーマの上にさくらんぼを飾るように感じました。
これはこのタイプのDLCが従来持っていた範囲を拡大するものでしたが、私たちにとっては正しいことだと感じました。

Federationsは私が率いた最初の大きな拡張でした。
以前にもストリーム配信などで述べたように、フィードバックやアイデアを集めて 戦争や外交といった異なる箱を作るための戦略です。
外交は私たちがこれまで触れたことのない枠組みであり、それをさらに深く掘り下げる機会を得たのはFederationsのためでした。
私たちはさまざまな外交上の交流に関連した多くのアイデアを持っていましたが、私は連邦に外交の友好的あるいは協力的な部分に焦点を当ててもらいたかったのです。最初のアイデアリストは大きすぎて実現できなかったため、私たちはFederationsのために多くの内容削減を行いました。
私たちが切り抜いたアイデアのいくつかは、最終的にNemesisへ導入されました。

私がFederationsでおそらく最も満足している機能はOriginsの追加です。
オリジン(起源)は、今やそれなしではStellarisを想像できないほど自然なゲーム体験の一部のように感じられます。
私はまた銀河共同体(コミュニティ)が興味深いレベルの外交的アプローチを加えていることも非常に気に入っています。
どちらかと言えば、私はそれがもっと残酷でマキャベリ的なものになるのを見たかったのです。

次に計画していた種族パックは2020年10月下旬頃の発売を予定していたため、ハロウィンのテーマをインスピレーションの源としてネクロイドのデザインやテーマにしました。
私はNecroidsパックのテーマ性が本当に好きで、もっと内容を追求したいと思っています。
しかし種族パックは主にコスメティックなコンテンツであり、そのおまけとしてゲームプレイが追加されているため、種族のスプロールコントロールは重要なのです。

Federationsの後、チームの大部分はNemesisに取り組み始め、外交の敵対的または陰湿な部分に多くの焦点を当てました。
私はNemesisの全体的なテーマが本当に好きでした。
私たちが追加した新しいIntelシステムは本当にクールで、私は特に新しいファーストコンタクトシステムとコンテンツで、他の異星帝国をより異質で神秘的に感じられるのが本当に好きです。
諜報活動については多くのアイデアがありましたが、最終的にはオペレーションに関してアイデアの約半分にあたる分しか作業時間が取れなかったと思います。

Nemesisに対して私は私たちが多くのクールなアイデアを持っていたと思いますが、私は我々がスパイとオペレーションでもっと多くの時間があれば…と思っています。
このシステムの仕組みは気に入っていますが十分な時間がありませんでした。
最終的にはFederationsとNemesisが連携し、それまで欠けていたStellarisの一部を補強し、アイデアの衝突を強調して、より多くのグレーゾーンの衝突を可能にしたことが本当に気に入っています。

Aquatics種パックではついにドルフィノイドをゲームに追加することができ、嬉しいアップデートになりました。
以前にもお話したように、ドルフィノイドは長年デザイン会議で面白い例として使われてきましたが、ついにこのスウォウルフィン(筋肉もりもりのイルカ種の事を指していると思われます)を現実の存在にすることができて本当に嬉しいです!

私はゲームディレクターとして、時間が経つにつれて直接的な実装にはあまり関与せず、代わりに長期的な計画と目標設定に重点を置くようになりました。
このような状況の中でカストディアンチームのアイデアが生まれ始めました。
ゲーム業界全体で見れば、カストディアンは目新しいものではない(サービスとしてのゲームやサービスとしてのゲーム開発を参照)ですが、私たちにとっての課題のほとんどは組織的なものでした。
Paradox Development Studioを3つのスタジオ(PDSグリーン、レッド、ゴールド)に分割することにして初めてこれが実現可能なものとなりました。

私が最も誇りに思っていることの一つは、カストディアンイニシアチブを実施できたことです。

カストディアンイニシアチブが私にとって非常に重要である理由

私はゲーム業界は変化しており、新しいコンテンツと競争することがますます重要になっていると考えます。
Custodian Initiativeを導入する以前は、ゲームの基本的な品質のニーズ(AI、パフォーマンス、QoLなど)と新しいコンテンツを制作する必要性のバランスを取るのはずっと難しいものでしたし、アップデートの間隔も何ヶ月もありました。

このアイデアはCustodianチームがゲームとゲーム体験を改善するための明確な再投資であるというものです。
私の望みはゲームのベース品質が良くなれば、ユーザー満足度が高まり月間アクティブユーザー数が増えるということでした。
私の考えでは幸せなプレイヤーはDLCを買いたいと思うだろうし、一方で私たちは情熱を持っているゲームをできる限り良いものにしたいと思っているので、関係者全員にメリットがあります。
Custodianイニシアチブはサブスクリプションサービスではないので、それをサポートする最良の方法は自分が気に入っているDLCを購入することです。

私の希望はカストディアンイニシアチブが、良いゲーム=幸せなプレーヤー=収益という方向に私たちを導いてくれることです。

未来は輝いている

私は長年Stellarisと一緒に仕事をしてきましたので、身を引き、この先何年もチームがStellarisをさらに素晴らしいものにしていくのを傍で見られるのはとても恵まれたことなのだろうと思います。

長年に渡りご支援いただきありがとうございました。
Daniel Moregård
Stellaris前任ゲームディレクター
2018-2022


以上

フォーラム内のやり取り(Q&A)

フォーラム内のやり取りで気になったものを紹介。
2022/3/6 特にありませんでした。

感想・まとめ

以上、Stellaris 開発者日記 第244回の紹介でした。

grekulfさんが退任しその挨拶という内容でした。

前任者のWizさんが何もない状態からStellarisを生み出しパラドックス社を代表するような大ヒット作になり、その後を引き継いだgrekulfさんは前任者とはまた違ったプレッシャーがあったろうと思います。

そこから既存の開発体制に大鉈を振るってカストディアンチームという仕組みを生み出したのは、本人もおっしゃってましたが大きな功績だと思います。

今後は未発表のパラドックス社の開発に携わるということですが、頑張って欲しいですね。

来週はおそらく後任のEladrinさんの日記がありそうですね。