ステラリス 開発者日記 第188回 ネクロイドのキャラクターとアートプロセス

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更新情報

2020/10/18

フォーラム内のやりとりを追記


パラドックス社の公式フォーラムに
ステラリスの開発者日記 第188回が掲載されています。

Stellaris Dev Diary #188: Necroid Characters & the Art process
Hello everyone! My name is Fredrik Toll, and I am the Art Director for Stellaris. For this week's dev diary, we will hav...

今回はNecroids Species Packに登場するキャラクターの制作過程についてです。

以下パラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
※画像等はフォーラムより引用。
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ステラリス 開発者日記 第188回 ネクロイドのキャラクターとアートプロセス

今回の担当はステラリスのアートディレクター、Aerieさんです。
今回の開発者日記の原文では見出しが全て同一階層なのですが、それだと画像1枚で1段落とかになり、なんだか妙な感じなってしまうので私の方で適当に段落分けしてあります。ご了承くださいm(_ _)m

みなさんこんにちは!

私の名前はFredrik Toll、Stellarisのアートディレクターです。
今週の開発者日記では、Necroids SpeciesPackに含まれるキャラクターをどのように開発するかについて見ていきます。

アイデアを求めて

宇宙船を設計するときと同じように、まず参考資料を集めて視覚的にインスピレーションを与えてくれるものを探します。
私たちはだいたいにおいてテーマに合うものを見つけることができます。
今回のケースではヴェネツィアのマスク、エジプトのミイラ、ディア・デ・ムエルトスでのメキシコのメイクアップ、生霊、吸血鬼、ダークエルフ、そしてもちろん頭蓋骨などありとあらゆるものを集めました。
私たちはできるだけ多くの異なるアイデアを見つけようとしています。
それらが十分に集まったと感じた場合、お互い何を持っているかを見せあい、それらについて議論し、お互いに関連していて種族のアイデアになりそうなものをまとめます。
私たちはそれぞれの種族が可能な限りお互いに異なるものになるようにしたいと思っていますし、できるだけ多くの異なるプレイヤーの理想を実現しようとしています。

アイデアに深みを持たせるためにやっていることの一つとして、それぞれのバックストーリーを考え出し、彼らがいったい何者であるかをもう少し説明しようとしています。
それは詳細なものでなくてもいいのですが、何かの脈絡を与え、詳細を追加したり、アーティストが絵を描くときに彼らの歴史を描くのに役立つようにしています。

バックストーリーは例えば次のようなものです。
「完全に密閉されたスーツ内で生き、決して離れることができない種族。
透明なヘルメットを透かして見ると、かつてはどんなものであったとしても、それはがらんどうで恐怖を与えるバージョンであることがわかる。」
「遺伝子操作によって生命を維持してきた異星人は、細胞がもはや死なず分裂を続ける。体が制御不能になり、奇妙に見える/変異したように見える。」
という感じです。

アイデアの開発

その後、必要な15ほどのアイデアが決まったら、さまざまなアイデアをスケッチし始めます。
最初の段階では私たちは通常線画を行うだけで、時にはラフな陰影を付けますが、それはアーティストによって異なります。
先へと進みさらに開発を行う前に、常に各キャラクターのアイデアの少なくとも3〜4つの異なるバージョンを開発します。
ここにいくつかの種の初期の開発の一部を紹介します。

スケッチ段階の後は、船のデザインと同じプロセスでエイリアンを開発します。
私たちがどのような道へと進みたいかを確認するために、アイデアのためのラフスケッチから始めます。
次に最高の可能性を秘めていると思われるものを選び、それをさらに発展させ、さまざまなサブバリエーション/ポーズを試していきます。
アイデアとその構造に満足したら、通常はカラーテストを行いさまざまな方法でシェーディングを行います。

さきほど出てきた、宇宙人が遺伝子操作で寿命を延ばした例を紹介します。

ラフスケッチ段階

アイデアのバリエーション/洗練されたもの

レンダリング

カラーバリエーション

3Dキャラクター

キャラクターは2Dで作られていて、ゲーム内ではそう見えてもその作り方は技術的には3Dソフトの中で行われています。
そこでキャラクターをレイヤーに分割する必要があります。
そのためすべてのディテールをレンダリングする前に、必要なコンポーネントに分割します。
触手はいくつかのレイヤーに分かれているかもしれませんが、まぶたや腕など、動くものは別のレイヤーにする必要があります。
早めに分割することで、アニメーターはラフバージョンの設定を始めることができます。
その間、2Dアーティストは細部の作業を続けます。
これによりキャラクターの問題点を早期に発見することができます。

キャラクターのテクスチャ

透過図での3Dキャラクター

すべての設定とリギングが完了した、Maya上におけるキャラクター外観の例です。
管理人注:Mayaとは3DCGアニメーションのソフト

カラーテストとレイヤー分割が完了したら、最終的なレンダリングに進むことができます。
ほとんどの作業はここで行われ立体感が増し、各素材がリアルに見えるようになります。

——–

今週はこれで終わりです。
来週、私たちのソーシャルメディア上ですでに見たかもしれないパッチノートを投稿します。
私たちのソーシャルメディアチャンネルに注目してください。


以上

フォーラム内のやり取り(Q&A)

フォーラム内のやり取りで気になったものを紹介。回答者は日記の担当と同じくAerieさんです。

Q:キャラクターをデザインするときは脚ありで設計するのか、脚無しで設計するのか?

A:脚なしでデザインしています。キャラクターのために全身を作りたいのですが、それだと余分な努力が必要になるので、私たちは表示される部分に努力を置くことを好みます。


Q:私は肖像画を改造したことはありません…。
しかし、実際にMayaからキャラクターを2D平面ではなく、3Dの状態でゲームにインポートしようとするとどうなるのでしょうか?
リーダーの肖像画/惑星ビューでゲーム内にレンダリングされる3Dキャラクターが表示されるのですか?
または、ゲームは特定のフォーマットを検出しないだけでロードに失敗するのでしょうか?

A:単純に3Dポートレートを作成することは可能ですが、いくつかの問題が発生する可能性があります。
クリッピングプレーンがおかしい、FOVがおかしいなどなどの問題が発生する可能性があります。


今回は以上です。

感想・まとめ

以上、Stellaris 開発者日記 第188回の紹介でした。

日記内のヘルメットの中身が空洞~のところを読んで「翠星のガルガンティア」のレドの上司の隊長を思い出してしまいました。あれは軽くホラー( -_-)

で、実際ステラリスのゲームファイルの中身を詳しく見てみると、種族の肖像画は背景透過でパーツごとにバラバラになった状態で保存されてるんですよね。
あの状態からどうやって動かしてるんだろうと思ってたんですが、今回それが知れてよかったです(・∀・)

来週はパッチノートの紹介ですが、量が膨大なためこれまでと同様にパッチ部分の紹介は割愛させていただきますm(_ _)m