ステラリス 開発者日記 第297回 リーダー、評議会、議題

スポンサーリンク
更新情報

2023/5/1 フォーラム内のやり取りを追記


パラドックス社の公式フォーラムにステラリスの開発者日記 第297回が掲載されています。

今回は新しいDLC Galactic Paragonsに伴う、帝国のリーダー、評議会、議題についてのお話です。

お断り:以下の記事はパラドックスフォーラムの内容を意訳したものとなります。
リリース後数年を経てStellarisに公式日本語が実装されたことに伴い、管理人が翻訳した開発日記登場の用語と実際にゲーム中に登場する用語・表現が一致しない事があるかと思いますがご了承下さい。
※画像等はParadoxフォーラムより引用しています。
スポンサーリンク

ステラリス 開発者日記 第297回 リーダー、評議会、議題

今回の担当はStellarisゲームディレクターのEladrinさんです。

冒頭の挨拶

北極圏の開発チームを代表してEladrinが以下を投稿します。

皆さんこんにちは!
Galactic Paragons DLCのリードデザイナーであるXMです。
開発の初期から、帝国のリーダーを重要にするというシンプルなマントラに従ってきました。
以下の段落でお読みいただくのは、その方向性に従った数カ月の作業結果となります。

帝国のリーダーの数を減らす

帝国のリーダーが重要な存在になるためには、リーダーの数を大幅に減らす必要がありました。
この目標を念頭に置いて、現在ゲーム内にある研究科学者のポジションを削除し、1つの「研究部門の責任者」である評議会のポジションに統合しました(評議会については後述します)。
我々はまた、リーダーが現場の地位を維持しながら評議会の任務を遂行することを認めました。
これらの変更により、プレイヤーがゲーム中で追跡する必要のあるリーダーの数が劇的に減少しました。

リーダーの数を減らすことで彼らをより強力にすることもできました。

ロールプレイングの改善

これらの新たなヒーローたちが織りなす創発的な物語を深めるために、リーダーのインタフェースを改良し、彼らの過去および彼らがどのような経緯で任務に就くようになったのかをより深く知ることができるようにしました。
彼らの家庭環境や前職、さらには倫理観までもが見て取れるようになります。

リーダーに対して行った改善点は他にもたくさんありますので皆さんと共有したいと思いますが、私よりも頭が良く、開発分野をより詳しく説明できる素晴らしいデザインチームに、その時間を譲りたいと思います。

The Council(評議会)

ArcticのデザイナーKarlです!
近日公開予定のGalactic Paragons DLCで担当した機能のいくつかについてお話ししますが、いずれも愛する同僚たちの努力と献身なくしては実現できなかったものである事をお伝えしておきます。

帝国評議会はあなたの政府の心臓部です。
全てのゲームで評議会は3席から始まります。
それはつまりあなたの統治者、研究責任者、国防大臣です。

エラドリンはこの評議会の種の肖像を強く支持している

各ポジションには、割り当てられたリーダーのスキルレベルに応じて増減する固有の帝国ボーナスが与えられます。
たとえば研究責任者はレベルごとに2%の研究速度UPを提供します。

Galactic Paragons DLCでは、多くの新しい特性も追加されました。
これらの特性の中には、帝国全体に適用される評議会の特性がありますが、これはリーダーが評議会に所属している場合にのみ適用されます(詳細は「特性」を参照)。
このように評議員を入れ替えることで、どのボーナスを有効にするか決めることができます。
できるだけ多くのボーナスを得るため、評議会を拡張することも必要となるでしょう…。

アンロック可能な評議会のポジション

どのプレイヤーも基本的な評議会にはアクセスすることができます。
しかしGalactic Paragons DLCを持っている場合、ゲーム中に評議会のポジションを3つ増やすことができるようになります。
どの役職にアクセスできるかは、あなたの市民特性に直接紐づけされています。
例えばIdealistic Foundation(理想主義財団)の市民特性はTribune of Rights(権利の保護者)の評議会ポジションを利用できます。

このように帝国のデザインに合わせて評議会には95以上のユニークな評議会ポジションを追加し、プレイするたびに違った見た目と雰囲気になるようにしました。
またプレイヤーがどのような権限を持っているかによって独自の統治者ボーナスがあります。
例えば帝国の統治者が強くなればなるほど、より多くのパワープロジェクション(戦力投射)が生成されます。

あなたが運営している帝国の種類をさらに目立たせるために、私たちは各権力機関の種類ごとに独自の評議会画面の背景を作成しました。

評議会の議題(アジェンダ)

理事会のもう一つの重要な特徴は、あなたが設定した議題を追求することです。
議題を理事会に割り当てた瞬間にわずかなボーナスが与えられますが、それが実行に移され、その効果を十分に得られるようになるまでには数年かかります。
例えば戦争を想定しているなら、ある程度戦略的に計画を立てる必要があるのです。

一度に実行できる議題は一つだけですが、議題が完了するとその後10年間、完全な恩恵を受けることができます。
評議員の数が多くスキルレベルが高いほど議題を早く完了できます。
その一方で巨大な帝国では完成までに少し時間がかかります。

ゲーム開始時には、自分の帝国の倫理と結びついているため、選択できる議題はほとんどありません。
ただしGalactic Paragons DLCがあれば、アンロックした伝統ツリーごとに新しい議題が手に入ります。
これらはすべて伝統ツリーのテーマと結びついています。
この仕様は伝統ツリー一度に1つずつ完成させていくのではなく、ツリー取得の展開をより広く普及させるインセンティブになるかもしれません。

ゲシュタルト評議会

私たちは評議会の機能がゲシュタルト・ファンタジーとはあまり調和が良くないとは感じましたが、その一方でゲシュタルトを好むプレイヤーが完全に取り残されたと感じないようにしたいとも思いました。
ゲシュタルト意識のプレイヤーは直接レベルアップして、支配者だけでなく、4つの新しい意識ノードをデザインすることができます。
彼らはやや柔軟性には欠けるが、その一方で不滅でもあります!

帝国のリーダーシステムの再設計

皆さんこんにちは!私はマレクです。
私は北方のオフィスからやって来た、皆さんにとって新しい派手な(もちろん自称です)、そしてほとんど知られていない(私もOffeのようにフォーラムでもっと話すべきだと思っています)コンテンツデザイナーです。
私はGalactic Paragonsにてリリースされる予定の機能についてホットな話題を提供することで、気候を暖めようと思っています。

というわけでお茶やコーヒーなど何でも用意してーそして無料と有料の両方の面から新しいシステムと機能について深く掘り下げてみましょう。

新しいレベルアップシステム

Galactic Paragonsの機能を使わないことを選択した方は、レベルシステムが旧来とかなり似ているように見えるかもしれませんが、そこにはいくつかの変更があります。

  • すべてのリーダーはレベル10に制限される
  • リーダーは常に2レベルごとに特性を取得し(レベル1から開始)、合計5つの特性を得る
  • すべての特性は共通特性プールよりランダムに選出される
  • 新しく階層化された特性システムが導入される:共通の特性とネガティブな特性がそれぞれ2階層になる

おわかりのように無料パッチによるリーダーであっても以前よりも強力(合計5つの特性を持つ)になりますが、Galactic Paragonsの機能によるリーダーは9000を超えるパワーレベルに到達します!

Galactic Paragonsの機能を使うことを選択した方にとって、帝国のリーダーのレベリングシステムははるかに柔軟性を与えるでしょう。

  • リーダーはすべてのレベルで新しい特性の選択を得る
  • プレイヤーはクラス、ベテランクラス、倫理に基づいてランダム化されたプールから特性を選択できる

  • レベル4においてリーダーはさまざまなタイプの退役軍人の特性(各クラスには3つのベテランクラスがあり、さまざまなボーナスとそのリーダーアクションを中心に構成されている)にアクセスできる退役軍人クラスから選択することができる。
    ベテランの特性には3段階ある。
  • レベル8においてリーダーは1回だけ運命特性を選ぶことができるようになる。
    この強力な特性はリーダーが銀河の中で自分の運命を見出すことを表している。

Galactic Paragons の潜在的なレベル10リーダーの例:

私がベテランと運命について何を話しているのか分からないでしょう…

なんてこった…特性がいっぱい

Galactic Paragons DLCのの所有者には、階層化されたバージョンを含め、おおよそ700*(数字はやや控えめにしています)の特性が用意されることになります。
新しい無料の共通特性もたくさんありますが、新コンテンツの大部分はDLCの背後に控えているものです。

*一部の特性には他の DLC が必要な場合があります。数には階層化された特性が含まれます。

新しい特性

新しい特性についてもう少し詳しく説明するため、共通、ベテラン、運命の3つのカテゴリーに分けて説明します。

共通特性

こちらは無料パッチに付帯しているものです(ほとんどは古い特性の更新版)。
無料パッチプレイヤーにとっての「パンとバター」となるもので、リーダーは2レベルごとに特性を入手することになります。
DLCの所有者にとっては、新しいリーダーたちの最初の3レベル、そして彼らの権力への旅立ちを象徴するものとなります!

犬をアイコンにしたほうが良いでしょうか?

ベテランの特性

ベテランの特性はGalactic Paragons DLCのプレイヤーのみが使用できます。
この特性は5から10までのすべてのレベルをカバーし、(前述のように)特定のリーダーに対するプールは、リーダーの倫理と彼らのベテランクラスに依存しています。
共通の特性よりも強力です。

リーダーアクションの新しいファンシーなエフェクト?はいどうぞ!

運命の特性

運命の特性はリーダー1人につき1つ(リーダーがイベントベースの運命特性を得ることがあるかもしれないからです!)であり、リーダーに与えられたピークを表します。
つまりリーダーはレベル8において運命の特性を得ます。

これは何でしょう?種が多ければ多いほど特性が優れている?狂気だ!

小さな免責事項:ゲシュタルト意識のリーダーは、運命の特性を得るのではなく、非ゲシュタルトよりもベテランの特性を多く持っているという点で若干異なります。
彼らは標準的な帝国民のように個人的な運命は持っていません!

リーダーの再設計:ベテランクラス

ベテランクラスはGalactic Paragonsの有料機能で、リーダーをよりカスタマイズできるようになります。
すべてのリーダーはレベル4で3つの選択肢からベテランクラスを選べ、ベテランクラスは12種類あります。

それぞれのベテランクラスは、リーダーのさまざまな側面に焦点を当てます。
例えば科学者はエクスプローラー、アナリスト、リサーチャーからベテランクラス選択できます。
適切なベテランクラスを選択することは、リーダーに達成してもらいたい方法でリーダーを活用するために最も重要です。
例えば、アナリストのリーダーは惑星研究支援アクションを中心としたベテラン特性を取得し、リサーチャーは評議会を中心としたベテラン特性を取得します。

リーダーの左側にあるベテランクラスのアイコン-比較はレベル1の提督

ネガティブな特性

ネガティブな特性の細かい点についても触れておきましょう。
すべてのリーダーは、潜在的なネガティブ特性でランダム化されます。
潜在能力が大きければ大きいほど、与えられたリーダーにはより多くの(そしてより速い)負の特性が蓄積されます。
運が良ければマイナスの可能性がゼロのリーダーを見つけることができますが、リーダーが突然新しいマイナスの特性を持って家に帰ってきて、地下室に新しいカジノを開くためにあなたの資源を盗み始めるまで、ネガティブな特性が何になるかはわかりません。

新しいリーダーキャップ(上限)システム

帝国のリーダーは以前より圧倒的に強力になったので、ソフトリーダーキャップを導入することにしました。
つまり艦隊上限の仕組みと同じように、帝国のリーダー上限を超えると、リーダーはより高価になります。
これに慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、もはやゲーム序盤で20隻の科学船を出して銀河を探索することが有効な時代ではなく、プレイヤーが有意義な選択をすることができるようになります。
つまり強力な総督を中心にした経済を作ることは、多くの上級提督を中心にした強力な艦隊を作ることと同じように、有効な戦略なのです。

私の私見ではこの変化はやや小規模な帝国に有利であり、すべての役割を果たすためにリーダーの上限を超えて行くインセンティブは低下する可能性がある一方で、巨大な帝国は例えば総督の配置(またはリーダーの上限を超える)などの選択肢を取る必要があります。

そして今、このリーダーの狂気への小さな旅を締めくくる何かがあります…

ルーラー(統治者)クリエイター

私は自分の出発点となる統治者の特性を選べないという事が嫌いでしたー特に独裁帝国や皇帝制の帝国においては。
このルーラークリエイターによって、自分が望まない特性を持った統治者が割り当てられるたびにゲームを再開する必要がなくなります。
私がこれを設計したときプログラマーは泣きましたが、UXデザイナーはレイアウトを考え出すことに非常に満足していました。
全員を幸せにすることはきっとできないんでしょうね。

現時点では選択できる特性は限られています。これはこの段階で新しい選択肢によってプレイヤーが圧倒されないことにしたためです。代わりに新しい市民を探すべきです!

特別賞

リーダーの機能に近い、しかし正確には異なる、最後の変化についてお話ししましょう。これは無料パッチとDLCの両方に存在するものです。
最後にもう一度だけシートベルトを締めてください!

新しい特性システム、リーダーやキャップ(上限)などの再構築に伴い、総督の特性は現在「イスに座っている」惑星にのみ適用されるべきだと考えました。
しかしこのゲームにはセクター総督という素晴らしい機能があったので、それを削除するのではなく、このシステムを使いたいと考えました。

つまり総督のキャリアは、惑星総督、セクター総督、評議員、帝国統治者ということになります。

新しいセクター総督はどのように機能するのか?

セクター首都の惑星に総督が座っている場合、総督のレベルは、かつてのようにこのセクター内のすべての惑星にボーナスを適用します。

ここに適切な惑星総督を置くことで、いつでもセクター総督を上書きすることができます。
リーダーの特性はセクターでは機能しないことを覚えておいてください!

それで全部でしょうか?ええ、そうでしょう。
Galactic Paragonsをウィッシュリストに入れることをお忘れなく!
また次の開発者日記でお会いしましょう!


以上

フォーラム内のやり取り(Q&A)

フォーラム内のやり取りで気になったものを紹介(全てを紹介するものではありません)。

Q: 指導者に新たなスポットライトを当てて、最終的にCK3(クルセイダーキングスIII)のように老化したポートレートを手に入れることができますか?

A:CK3の場合は状況が揃っているため3Dポートレートを動的に作成できます。
さらにCK3では戦う相手の種族は(人間)1つだけです。
これをStellarisで機能させるには、特定のトリガーに基づいて読み込まれるポートレートを変更するまったく新しいシステムと、まったく新しいアートが必要です。
端的に言うと老化したポートレートはありません。


Q:社会制度が3つ以上ある場合はどうなりますか?
たとえばバニラ版では時折4つのCivicを持つことができ、Modを使用すると任意の数のCivicポイントを持つことができます。

A:現在、通常の帝国またはメガコーポの評議会の最大サイズは、3コアメンバー+3市民です。
ゲシュタルト意識の場合は支配者+4ノードに固定されています。


Q:北極圏チームというのはどのくらい北にあるのですか?

A:ストックホルムの北約600kmにあるウメオに位置しています。


Q:これは支配者の特性がなくなったことを意味するのか、それともリーダーが支配している間に他の特性と一緒に支配者の特性も獲得できるのか?

A:Ruler(支配者)の特性は、ほとんど(すべてではないにしても)評議員の特性に変更されており、適切なクラスのすべてのリーダーが取得できます。そのように再調整されました。
Galactic Paragons DLC有りでプレイする際、評議会向けのベテランクラス(各クラスに1つずつある)を選択すると、そのベテランクラスに固有のいくつかの排他的な特性に加え、これらの評議員の特性を取得する可能性が高くなります。


Q:テクノロジーツリーの仕組みを変更せずに研究部門の責任者を削除することはおかしいのではないか。

A:評議員の特性の実装により、テクノロジーツリーの仕組みを変更する必要性はなくなりました。
テクノロジーを手に入れる確率を操作したいのであれば、理論的には科学者を中心とした評議会(例えばテクノクラシーは科学者のポジションを追加するなど、市民をうまく選ぶ)を作り、それぞれが同じ専門知識を持って確率を操作することもできる。正確な専門知識を得るには少し時間がかかるかもしれませんが、DLCを使えば可能です。


Q:すべての惑星には総督がいるわけではないでしょう。
彼らの問題に干渉するとその惑星が混乱したり、専制君主として宣言されたりする可能性があるのでしょうか?

A:セクター総督は、その特性をセクターの首都に適用し、そのスキルレベルをセクター内のすべての惑星に適用します。
慎重に計画を立てることで、重要な惑星とその近隣の惑星の可能性を最大限に引き出すことができます。


Q:今回のアップデートで後継者はリーダーになるのでしょうか?
特別な役職を与えるなどして、より良い方向に持っていけるようになるといいと思います!

A:そうですね。王位につく前にきちんと育成することができます。


Q:リーダーをどの評議会の席に座らせるかが完全に恣意的にならないようにするため、少なくとも支配者としてのみ適用されるボーナスはありますか?

A:はい。スロット自体にリーダーのスキルレベルに応じて乗算される固有のボーナスがあります。
支配者スロットには強力なものがあり、権限の種類によって異なります。


Q:リーダーは評議会に参加することで経験を積むことができるのか?
もしそうなら、彼らは通常の職務からも経験を得るのか?

A:どちらもYes。


Q:ゲシュタルト・ノードがリーダーとして使用できない場合、リーダーの上限にカウントされるのか?

A:いいえ、リーダーの上限にはカウントされません。


Q:リーダーは引き続きレベル10に制限されるのか?
リーダーの最大レベルを10をはるかに超える市民、テクノロジー、特性、伝統がたくさんあるような気がしますが、それらのボーナスの上限を10にするのはもったいないと感じます。

A:リーダーに影響を与えたもの(リーダーレベルの上限に影響を与えた市民や伝統など)は、Ver3.8/Galactic Paragons DLCの変更によって改訂されたと考えてよいです。

感想・まとめ

以上、Stellaris 開発者日記 第297回の紹介でした。

評議会システムが加わり、それに伴って帝国のリーダーの仕様がガラッと変わるようですね。

また私もこれは嬉しいと思ったのはゲームスタート時の帝国の統治者をある程度自分の好みで設定できる点。
本文中でも出ていましたが、私もなかなか気に入った統治者にならず、なんどもリセットしてやり直しをしていたのでこの機能はありがたいです🙂

それでは( ✧Д✧) カッ!!