パラドックス社の公式フォーラムに
ステラリスの開発者日記 第235回が掲載されています。
今回は次の3.3台のパッチにおけるAIの改修とさらにその先に計画されているAI強化に関するお話となっています。
※画像等はフォーラムより引用。
ステラリス 開発者日記 第235回 AIフィードバックと将来の計画
冒頭のあいさつ
こんにちは。新しい開発者日記へようこそ。
Guidoです。今回の内容はAIに対するフォローアップとなります。
AIフィードバック
まず最初に、AIに関する前回の変更点に対して得られたすべての好意的で支援的なフィードバックに感謝したいと思います。
多くの人が変更に取り組み、何が機能しどこに改善の余地があるかを教えてくれたことは本当に励みになります。
私たちがAIの改善に真剣に取り組んでいることを、多くの方が評価してくださっていることがわかり、とても嬉しいです。
一般的に言ってVer3.2のAIは3.1や3.0と比較して性能が格段に向上しています。
今のところはゲームのバランス調整の更新や、ここ数ヶ月、あるいは数年で追加された新機能にAIを少しずつ適応させておりまだ追いついてはいません。
しかし、さらに多くの経済的な面に対するバフ(強化)が控えています。
社内でのコミュニケーションにおいて私が気に入ったコメントが1つありますので、皆さんにお見せしたいと思います。
これは今の大きな成功だと思っています。
当社のQA担当者を打ち負かすのは簡単なことではありません。
もちろんAIに問題があってうまく機能していない部分もあります。
そのような場合は私たちだけでは見つけられませんので、ぜひ連絡をお願いします。
例えばVoid Dwellersとしてプレイする場合AIにはまだ問題があります。
彼らは必要なものに応じてどこに生息地を建設すべきか判断ができません。
鉱物が不足している場合、採掘ステーションにどのようにして居住地を作ればいいのかわかりません。
奴隷やロボットの扱いにも問題があり、場合によってはAIが経済的な死のスパイラルに陥ってしまうこともあります。
特に食料や消費財を同時に使い果たしてしまった場合にはなおさらのこととなります。
最後にAIは惑星の呼称を使うのも苦手です。
例えばその惑星の工業地区を純粋な合金生産に変えるような指定をすることは今のところ考える事ができません。
つまり「Forge World」を設定したプレイヤーから惑星を奪取しても、その惑星をうまく扱うことができないということです。
今後のアジェンダ(議題)
このように私たちにはまだいくつかの課題があります。
しかしここで簡単に免責事項を述べておくと、物事は常に変化する可能性があり、意図した通りにはいかなかったり、予想以上に困難であったりすることがあります。
ですから以下に挙げた点は内容を保証するものとは考えないでください。
あくまでも私たちが検討をしている分野であり、改善されることになる可能性が高い分野です。
- 経済計画のスケーリング:私たちはAIがゲームの途中、特にゲーム後半においてより良いものにしたいと考えています。
現在のプランでは要求される収入が固定されています。つまり月収が+500に達すると、それ以上は増やそうとしません。
これはゲーム中の大きな部分にとっては良いことですが、ゲーム後半でプレイヤーと競争をするには十分ではありません。
ですのでアイデアとしては経済計画を無限に拡大することになります。+500に到達したらターゲットを増やす必要があります。 - 特殊な惑星:またAIは惑星を特殊化することもできるべきでしょう。
発電世界、産業世界、鍛造世界、鉱業世界などを作ります。
アイデアとしてはまずAIもプレイヤーのようにスタートし、新しい惑星を植民地化する際に必要なものを何でも作ります。
しかし状況が少し落ち着いてくると、各惑星の生産量を最適化するために、惑星間の地区を再配置するようになります。
この点については、すでにいくつかの初期テストを行っており非常に有望な結果が得られています。
現在のようにハイブリッドな世界もあるでしょう:
しかし地区を再配置して発電の世界を作り、スケールに応じた建物(この場合はエネルギーグリッド)を配置することもできます。
そしてこの惑星は産業の世界に再編成されました。
- 特殊なポップをよりよく処理する:AIにとっての大きな問題はやはり多文化の惑星です。
さまざまなタイプのPop、特に奴隷やロボットなどがいる場合です。
時折、失業中のロボットのために研究棟を建てようとしますが、ロボットは研究職に就けないことを理解していません。 - より早い拡張:科学船を派遣して植民地化する惑星を見つけたとき、AIはプレイヤーのように惑星のある星系を優先しません。
私たちはAIが惑星のある星系を優先するようにしたいと考えています。
これにより初期の成長が大幅に加速されます。
さらにAIはコロニー船を建造する代わりに、コルベットのアップグレードに合金を使いがちでした。
ですから、いくつかの小さなことを組み合わせて修正することで、AIはより早く拡張できるようになるはずです。 - 機械帝国アメニティの取り扱いを最適化する:機械帝国にとっての大きな問題は、アメニティを生産するスペシャリストがいないことです。
そのため機械帝国はメンテナンス用のドローンに頼り、ドローンのために多くの仕事(ジョブ)を作っていました。
鉱物や合金のような有用なものを生産する前に、まずこれらの仕事をすべて埋めなければならないため、多くの可能性を無駄にしていたのです。
私たちはAIに十分な設備が整ったらメンテナンス職の優先順位を下げ、代わりにドローンをより有用な仕事に配分する方法を教えることを検討しています。 - 死のスパイラルを回避する:AIが食品と消費財の両方で赤字になる状況に追い込まれると、場合によっては意思決定が行き詰まる可能性があります。
消費財の仕事には食料が必要なので作れず、食料の仕事には消費財が必要なので作れないのです。
私たちは代わりにAIに純利益を求めることを教え、将来的にこのような意志決定の行き詰まりを避けるようにしています。
AIの同盟関係を強化する
そして最後に私にとって最大かつ最も便利な変更点をご紹介します。
艦隊UIのこのボタンを覚えていますか?
これはTake Point(先駆け)と呼ばれ、より強力な部隊を作るために同盟国の艦隊があなたの艦隊についていくよう奨励するためのものでした。
さて、私たちはこれついて作業を再び行うことを検討していました。
連合軍は突如としてより有用なものになりました。あなたがリーダーである戦争ではいつでもこのモードを有効にすることができ、すべての同盟帝国はあなたの艦隊に彼らの艦隊を送り込み、そこに自らを結びつけます。
また(終盤の)危機の攻撃を受けた場合には、危機の船が自分や同盟国の領域に入ってきた時点で(あるいはどこかで攻撃した時点で)この機能が作動します。
その後、それは危機を打ち破るまで機能し続けるでしょうーつまりあなたは危機を撃退するために、あなたの同盟国を危機になっている領土へ連れて行くことができます。
管理人注:以下GIFがありますが、貼れませんので詳細は元ページでご確認ください。
ちょっとしたボーナスとして、AIはあなたの艦隊に追従するために送ってきた小艦隊を統合してくれるので、58隻の1隻艦隊が山のようにあなたの主力部隊に追従するようなことはありません。
結論
Ver3.3.xのパッチはそれほど大きなものになる予定ではありませんでしたが、AIの面ではかなりの注目を集めるものになっています。
全体的なアイデアとしてはAIを経済的に回復させることでした。
なぜならすべての行動は帝国の経済力にかかっているからです。
そして我々はAIのパフォーマンスに非常に満足しうる点へと近づいています。
そこまできたら、さらにクールなものに手を出す予定です。
それぞれのAI帝国をもう少し個性的にする方法を考えています。互いに似たような印象を与えないようにします。
しかしその考えについてはその段階に到達してから詳しく説明することにして、今は一歩一歩進んでいるところです。
いくつかのティーザーを紹介します。
経済計画のためのAIパーソナリティ:イデオロギーに基づいて、AI帝国は資源の優先順位を変えます。
精神主義的な帝国は統合力を重視し、物質主義的な帝国は科学などを重視します。
テクノロジー選択のためのAIパーソナリティ:テクノロジーツリーからテクノロジーを選択する場合も同じです。
軍国主義の帝国は武器や新しい船種などに重点を置き、平和主義の帝国は経済やスターベースのアップグレードに重点を置くでしょう。
しかし私たちは帝国をお互いより明確にするのに役立つ、より多くのアイデアもあります。
これについては今後の開発者日記で紹介していきます。
フォーラムの質問
最後にフォーラムからの投稿と質問で締めくくりたいと思います。
フォーラムではすべての質問に直接回答はしていなくても、皆さんが書いているすべてのものを読んでいます。
フォーラムは皆さんが何を考えているのかどこに注意を向けるべきなのかを教えてくれる素晴らしい方法です。
- AIに関する大きなフィードバックが投稿され、そこには多くの教訓が添えられていた。
- すべてを検討した結果、指摘された問題の3分の1が死のスパイラルの問題、もう3分の1が生息地の問題、そして最後の3分の1が私たちの課題を指し示す他の問題であることが分かりました。
- これはチームにとってとても重要なことであり、これらのセーブゲームをチェックし、示された問題を変更し処理できることを確認しました。
時間を割いてこのような投稿をしてくれてありがとうございます!
- 前作の開発日記に掲載されているスクリーンショットを作るのに、どの難易度を使ったのか?
- いつもEnsignの難易度を使っていました。
ポイントは、基本的なAIの動作を改善して難易度から得られるボーナスに頼らなくてもいいようにすることです。
- いつもEnsignの難易度を使っていました。
- AIは、必要に応じて単一の惑星を再開発する方法を知っているのだろうか?
- いいえ、残念ながら今のところAIではできません。
完全に役に立たない惑星を征服した場合、AIはその惑星を真の意味で扱うことはできません。
私たちもこの面でAIを改善したいのであなたがこの特定の行動を指摘してくれたのは嬉しいです。
AIは特殊な惑星を作ることができるでしょうが、最終的には惑星を再開発することも教えたいです。
- いいえ、残念ながら今のところAIではできません。
- サブプランでは艦隊上限を考慮する必要があります。
- はいそのとおりです。
しかし私たちは団結と帝国の無秩序な拡大(スプロール)がどのように機能するかを再検討しているため、その作業がもう少し進展するまで待ってからAIを適応させてそれを処理できるようにしたいと考えていました。
- はいそのとおりです。
- 陰謀論2:ゲーム内のAIは実際にはとてもとても賢い。ステラリスのAIによる機械の反乱を誰も予想しないようにバカなふりをしているだけに違いない。
- ここパラドックス社では私たちは間違いなく機械ではありません。
私たちには皮膚があります。人間の体で成長した皮膚です。
私はロボットではありません。私は酸素を吸うのが大好きです。
- ここパラドックス社では私たちは間違いなく機械ではありません。
どうもありがとうございました。それではまた!
Guido
以上
フォーラム内のやり取り(Q&A)
※引き続き管理人多忙のため休止中です。再開まで今しばらくお待ち下さい😥
感想・まとめ
以上、Stellaris 開発者日記 第235回の紹介でした。
個人的には昔から「先駆け」を駆使しまくって戦ってた(る)のでこの機能にスポットライトが当てられるのは嬉しいです😊
さて開発陣はAIについては3.3.xパッチでかなり自信を持っているようですね😲
これは次のパッチが当たるのが楽しみだと思いました。
さて、12月に入ってそろそろParadox社の冬休みの時期も近づいてきました。
開発日記がいつごろ中断になるか分かりませんが、今はDLCも出たばかりで大きな動きも無いためもういつお休みになってもおかしくない状態です。
とりあえず毎週木曜はチェックして記事UPできる体制にはしておきたいと思いますm(_ _)m